1 ラボグロウンダイヤモンドって何? 2 天然ダイヤモンドとの違い 3 アメリカの婚約指輪は既に半分以上がラボダイヤ 4 新しい時代の価値観 |
1 ラボグロウンダイヤモンドって何?
”ラボグロウンダイヤモンド”って知っていますか?
最近少しずつ日本でも知られてきている人工のダイヤモンドです。
別名エシカルダイヤとも呼ばれていて、ラボグロウンダイヤモンドを使用した新しいジュエリーブランドも増えてきています。
さて、ラボグロウンダイヤモンド(Lab-Grown Diamond)とは、研究所(laboratory)で人工的に合成されたダイヤモンドのこと。
天然ダイヤモンドと同じ成分(炭素)でできており、同じ結晶構造を持っています。
そのため、硬度や光の屈折率など、物理的な特性は天然のものと同じです。
製造方法は、高温高圧法 (HPHT)と化学蒸着法 (CVD)という製造方法で作られています。HPHT法は、自然界でのダイヤモンド形成条件を模倣し、高温(約1500°C)と高圧(約5-6 GPa)の環境で炭素をダイヤモンドに変換する方法。
CVD法は炭素を含む気体(例:メタン)を真空中で高温にし、ダイヤモンドの結晶を成長させる方法。このプロセスでは、ダイヤモンドの薄膜を基盤に成長させることが一般的です。
アメリカでは既に、ラボグロウンダイヤモンドを使用したの市場シェアは約3分の1とされているんです。
ただし、アメリカ以外にも中国・香港・インドなどでもこの割合は年々増加しており、特に若い世代や環境意識の高い消費者の間での需要が拡大しているのです。
それでは次の項目では、天然ダイヤモンドと比較し、どう違うのか検証していきましょう!
2 天然ダイヤモンドとの違い
さて、天然ダイヤモンドとラボグロウンダイヤモンドの違いを比較してみましょう。
1. 成分と構造
- 天然ダイヤモンド
- 成分: 炭素。
- 構造: 自然界で形成される、地球の深部で高圧・高温の条件下で作られる。
- ラボグロウンダイヤモンド
- 成分: 炭素。
- 構造: 人工的に合成され、天然ダイヤモンドと同じ結晶構造を持つ。
2. 製造プロセス
製造: 実験室や工場で作られる。
天然ダイヤモンド
形成過程: 地球内部の高圧・高温条件で数百万〜数十億年かけて自然に形成される。
採掘: 鉱山から採掘される。
ラボグロウンダイヤモンド
形成過程: 高温高圧法(HPHT)または化学蒸着法(CVD)を使用して数週間〜数ヶ月で合成される。
3. 見た目と品質
- 天然ダイヤモンド
- 品質: カラット、カット、クラリティ、カラーの4Cで評価される。内包物や傷(インクルージョン)が自然な特徴として存在することがある。
- 見た目: 一部に内包物があることがあるが、一般的に高品質な輝き。
- ラボグロウンダイヤモンド
- 品質: 同じく4Cで評価され、天然ダイヤモンドと同じ品質基準を満たすことができる。内包物が少ないことが多い。
- 見た目: 外観はほとんど天然ダイヤモンドと同じで、通常のルーペや肉眼では区別が難しい。
4. 環境への影響
- 天然ダイヤモンド
- 環境負荷: 採掘プロセスでの環境破壊や生態系への影響がある場合がある。
- エシカル問題: 一部には「コンフリクトダイヤモンド」と呼ばれる紛争地域で採掘されるものもある。
- ラボグロウンダイヤモンド
- 環境負荷: 採掘がないため、環境への影響が比較的少ない。
- エシカル問題: コンフリクトフリーで、倫理的な選択とされる。
5. 価格
- 天然ダイヤモンド
- 価格: 天然の希少性により、高価であることが多い。
- 市場価格: 高品質なものほど高値がつく。
- ラボグロウンダイヤモンド
- 価格: 製造コストが低いため、天然ダイヤモンドよりも安価で購入できることが多い。
- 市場価格: 品質やサイズに応じて価格が設定されるが、一般的には天然のものよりもお手頃。
天然ダイヤモンドは自然界での希少性と歴史から高価で価値があるとされ、長期的な投資価値があることが多い。
それに対し、ラボグロウンダイヤモンドは、より安価で環境に優しく、エシカルな選択肢として人気が高まっていますが、長期的な価値についてはまだ発展途上です。
4 新しい時代の価値観
ラボグロウンダイヤモンドは、天然ダイヤモンドと同じ物理的・化学的特性を持ち、見た目も非常に似ていますが、人工的に製造されるため、環境への影響が少なく、倫理的な選択肢として注目されています。
コストパフォーマンスにも優れ、持続可能でエシカルな消費を重視する現代の価値観に適応した製品です。
これらのダイヤモンドは、現代の消費者が求める持続可能性と倫理性を提供し、未来のジュエリー業界における新しいスタンダードを築いています。
新しい価値観を重視する社会の中で、ラボグロウンダイヤモンドはその存在意義をますます強めていくでしょう。
コメント